Taejunomics

            政治、経済、社会、哲学、芸術、文学、スポーツ、マイクロファイナンス、教育などなど、徒然なるままに書き綴ります。 ※お初の方はカテゴリー欄の「Taejunomicsについて」、をご覧ください。
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生保がネットで売れない理由。
 Diwaseさんが書いていた、ネットで生命保険が売れない理由について、感じた事を。 

 

1. 生命保険は「売る」ものであって、「買う」ものではない

【通説】
 誰しも、死ぬことは考えたくないので、自ら生命保険への加入を積極的に考えることはしない。生命保険は、購入してすぐに体験して効用を楽しめる商品ではないし、「今すぐ買わないといけない」という切迫感もない。したがって、営業マンがその機能や必要性を説き、ニーズを掘り起こす必要がある。自ら生保を買いたいと思っているお客さまは、病気である可能性が高いため、保険会社の契約選択上は「よい顧客」でない可能性が高い。

 

 ある程度までは事実であると思います。  
 といっても、
 ・一度サイトに呼び込んだ後のマーケティングによっては、「売る」ことができるのかもしれませんし、
 ・ネットでの様々な商行為につき、パラダイム転換が起こっているのは紛れもない事実ですので、
 何とも言えないところだと思います。 
 

 また、逆選択の問題については、難しいところですが、情報システムの作り方が肝要なのだと思います。 ネット上では相手の顔が見えないように思えますが、実は、何らかの人間的な足跡を残しているものなので、それらをうまくデータベース化出来ればよさそうですね。 




2. 生命保険は難しいので、対面で丁寧に説明してあげないといけない

【通説】
自分で生命保険について情報を集めたいと思う人は多いが、多くの人が少し調べてみて「やっぱりわからないや」とあきらめてしまい、そこで検討がストップしてしまう。営業マンが横について、丁寧に説明をしてあげる必要がある。ネットではこれが難しい。



 これも、ネット上のプレゼン次第で何とかなるのかな、と思います。 もしかしたらウェブ上では、グラフィックを使って販売員の口よりももっとわかりやすい説明ができるかもしれません。
 もちろん、インタラクティヴの程度では、人間に劣ることは否めないので、それは何とかできればなあ、と思いますが。 
 



3. 一人一人のニーズに合った決め細やかな提案ができない

【通説】
必要な保障の内容は、その人のライフステージ、家族構成、収入・資産、リスク性向などによって大きく異なる。将来のキャッシュフローをきちんとシミュレーションしてあげて、一人一人にぴったりあった保険パッケージを提案してあげる必要がある。ネットではある程度画一的にならざるを得ないので、これが難しい。

 

 チャレンジは商品開発側のチェックシート作りにありそうですね。

 チェックシートに記入し終えたら、
 いくつかの選択肢が、漫画チックな描写とともに飛び出してくるようなのがあったら面白そうですね。

 違う話になりますが、消費者金融のチェックシートに関するノウハウの蓄積はすさまじく、これが一つの競争優位の源泉となっているらしいですね。 (授業中に聞いた話) 対象は違えど、顧客が何らかのリスクを有しているという点や、リアルな面談の少なさという点において、ネット生保と消費者金融には共通点がありそうな気もします。

 

 

4. お客さまとの深い、長期の信頼関係を築くことができない

【通説】
生命保険というのは数10年後の保障を、いまから積み立てていくという長期の性格を持つ。このため、加入して頂くにあたっては、お客さまと営業マン、保険会社との間の深い信頼関係を築く必要がある。非対面のネットで、このような信頼関係を作り、ブランドを構築していくことは難しい。

また、新しいネット生保を作っても、多くの人に知ってもらうためには、広く広告宣伝をしなければならない。その結果、事業費が高くついてしまい、結局保険料が割高になってしまう(これはネットというより新設会社特有の問題ですが)

 

 それはそれで事実だとも思いますが、ネットでの商行為の発展には目覚ましいものがあり、ある特定の人々の間では、コストが人間関係に勝る意思決定要因となる度合いが強くなっている気もします。 それが生命保険という特殊な商品についてどの程度までに反映されるかは未知数ですが。
 



5. 「最後のひと押し」がない

【通説】
前述の通り、生命保険は「いますぐ入らなくても困らない」という特徴がある。したがって、検討はしていても、あと回し、あと回しになりがち。最後の最後で営業マンが「これでよろしいのではないですか。そろそろ、いかがですか」と、選択が正しいことを確認し、背中をひと押ししてあげることは、とても重要。ネットでは、これができない。



 確かに、アマゾンで本を買うのとはちょっとわけが違うので、僕も最後の最後で躊躇しそうです。 最後のひと押しに変わる、インセンティヴ装置があればよさそうですね。 既存の買い手が、最後のひと押しをする役割を果たしてくれるような仕組みづくりがよいのかもしれません。 もしくはもともと抵抗のない人々をターゲットとするのか。


  

 最初にも書いたように、さまざまなパラダイム転換が、確実な技術革新に裏付けられて着実に行われているのが今の世相だと思うので、今までそうだった事を常識だと思い続けることは避けたいものですね(と、自分自身への戒め)。



 ちなみに、所与なのでどうしようもないとしても、既存生保の政治力はなかなかに強力なので、それも相当な不安要因になるのではないかな、と感じていたりします。

 
Comment
≪この記事へのコメント≫
保険業界に携わっているものとしては非常に興味深いエントリですね。
Diwaseさんが主張している事は現段階では間違いない事実だと思われます。
実際現場で働いている人間が肌で感じていることです。
しかし今後やはりネットでの販売チャネルがどういうパラダイムシフトを起こすのかと言うのは業界の誰もが脅威に思っていることです。
現に自動車保険なんかではすでにネット系の会社がシェアを増やしてきていますしね。
2007/12/05(水) 01:34:38 | URL | ガンチ #QBqHbrIg[ 編集]
そうだね、確実に何かが変わっている気が、はたから見ていても感じられるよ。 
2007/12/06(木) 01:26:49 | URL | Taejun #-[ 編集]
とても魅力的な記事でした。
また遊びにきます。
ありがとうございます。
2010/09/06(月) 20:56:45 | URL | 名無しさん@十一周年 #-[ 編集]
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