Taejunomics

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国家の品格。
 だいぶ前に話題になっていたこの本、今日読みました。

 みたところ、細かい部分について不正確な部分があるみたいなのですが、そんなことは全くの傍論なので置いておいて、主張していている内容の基本について、考えてみたいと思います。

1.内容の要約
2.要約の第一段についての感想
3.要約の第二段についての感想
4.要約の第三段についての感想
5.その他雑感


国家の品格 (新潮新書)国家の品格 (新潮新書)
(2005/11)
藤原 正彦

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1.内容の要約

 この本で解かんとしていることは、僕の理解によると以下のところのようです。 (間違っていたら訂正してください)

 グローバリズムに伴い、日本でも、合理精神、論理至上主義が広まりつつある。 著者はこれに警鐘をならす。 数学の世界ならいざ知らず、人間の社会においては、論理的であることには限界があるからである。 また、近代思想の論理的土台となっている、自由、民主主義、などの概念についても、それが正しいものについては疑わしい。 
 人間社会においては、硬い論理だけでなく、ソフトな情緒や形が必要だと著者は考える。 「もののあわれ」といった言葉に代表される情緒、そしてそれを育む精神の形としての武士道精神、これらは、現代以前の日本の歴史を通じて育まれてきた素晴らしい遺産であり、近代合理精神・論理至上主義が行き詰まりを見せている現代社会を切り拓いていくのに必要なものだ。 日本はこの素晴らしい文化を発信していかないといけない。
 日本は、この情緒と形をそなえた、国家の品格を取り戻さないといけない。 国家の品格の指標は、独立不羈であること、高い道徳を有すること、美しい田園を保つこと、そして、天才を輩出することである(この文だけは、僕の消化でなく、原文の書き写し)。
 

 講演録を本にしたものなので多少はしょうがないにしても、もうすこしわかりやすい形で本が整理されていたら、もっと要約は作りやすいのですが^^;。 



2.要約の第一段についての感想

 上の要約の第一段については、僕も同意します。 論理は重要なものではあるけれど、それが全てという主張は、なんか「安っぽい」というか、そんな感じがするのですよね。 と、これはあくまで僕の価値判断。 


3.要約の第二段についての感想

 要約の第二段については、最初の文章には同意。 精神的な深みが、人間生きていく上でとても重要だと僕も思います。
 その次の二つの文章については、この本がどんな前提で書かれたかによるのですが、

 ・この本が、日本人による日本人を対象としたメッセージとして書かれた場合

  それなら、納得します。 家庭内教育で、親が子に「おまえはこの国をしょって立つ人間になるんだ」というのに似ている(?)感じがします。 


 ・この本が、日本からの世界へのメッセージの発信として書かれた場合(ちなみにこの本は英語にも翻訳されて、結構売れているそうです)

 ならば、もう少し、違った書き方をしたほうが良い気がします。
 日本に素晴らしい文化があることは、まぎれもない事実だとしても、他国についても同様に歴史を経て培われてきた素晴らしい文化があるわけです。 著者の主張の全体をみると、どの国であれ、尊重すべき文化があるということを否定していないという感をうけます。 それら素晴らしい文化を、各国がより尊重し前面に押し出すことによって、行き詰まりを見せている現代社会を打開していく、という主張であれば、より多くの人の共感を得られたのではないでしょうか。 この書き口では、人によっては、一種のナショナリズムの発揚とみられてしまう可能性もありそうで、残念な感じを受けます。



4.要約の第三段についての感想

 要約の第三段に関する部分については、僕には正直よくわかりません。
 そもそも、国家の品格が何なのかについて、本では書いてくれていません。 品格は、見かけ美しい言葉ですが、人により多義的な受け取り方をしうる言葉なので、著者なりの定義を与えてくれると、よりよいと思いました。
 つぎに四つの事柄が指標となる理由について書いているのですが、いまいちぱっとしません。 それに、これら4つの指標、全く次元の違う概念が並列関係になっていて、それがよくわからない事を増強している感もあります。 なんて、論理を批判している本について、論理の批判をしても、なんか変な感じも受けますが^^;;



5.その他雑感

 そのほかに、面白かった&概ね同意する点は:
 ・自国のものをしっかりと学んで初めて本当の国際人となれる
 ・人間は、家族愛、郷土愛、祖国愛、人類愛の順序で自分の周りの物を愛すべき
 ・数学や理論物理の水準が将来の国の力のパラメーターになる
 
 こんなところでしょうか。

 
 本の内容については、ちょっとどうかと首をかしげる部分がある一方で、著者の人間性については、とてもいい感じを受けました。 もしお会いしてゆっくりお話をお伺いする機会があれば、通じ合えるのではないかな、という気がします。

Comment
≪この記事へのコメント≫
参考までに
藤原さんのエッセイは、高校の時よく読んでいました。「若き数学者のアメリカ」を読んで留学に憧れたことを思い出します。「天才の栄光と挫折―数学者列伝」も天才話し好きの僕を興奮させてくれた一冊です。

日本の数学者には名著がたくさんあります。岡潔の「情緒と創造」や彌永昌吉「ガロアの時代 ガロアの数学」もまだ読まれていないようでしたらぜひ読んでみてください。おもしろいですよ。
2008/01/21(月) 01:07:25 | URL | koujiya #X.Av9vec[ 編集]
父が数学の先生なので、本棚にそれらの本があった記憶があります。 ペーパーを書き終えたら読んでみます!

2008/01/21(月) 12:17:30 | URL | Taejun #-[ 編集]
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