Taejunomics

            政治、経済、社会、哲学、芸術、文学、スポーツ、マイクロファイナンス、教育などなど、徒然なるままに書き綴ります。 ※お初の方はカテゴリー欄の「Taejunomicsについて」、をご覧ください。
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--/--/--(--) --:--:-- | スポンサー広告 | Trackback(-) | Comment(-)
何がおかしかったのか。
 (一応)学生である最後の数日間にやったことは、the Economistの学割での購読でした。3年分で7万円也。4月から会社に届くので、毎週記事を20以上は読んで、知識と英語力をつけようと思っています。(この雑誌の英語は、ネイティヴにも難しいらしいです。)
economist.jpg


 最近の記事で目に留まったのは、”What went wrong”というタイトル。
http://www.economist.com/finance/displaystory.cfm?story_id=10881318 
 最近の金融危機がどのようにして起こり、今後金融機関はどのように変わっていくのかが論じられています。

 今回の金融危機は、本誌によると、20年くらい前に萌芽があるといわれています。
規制の緩和により、金融機関が自らの裁量でファイナンス理論を駆使してさまざまな金融商品を生み出してきました。この事と高いレバレッジがあいまって、この20年間金融セクターは目覚ましい成長を遂げ、市場における金融株のシェアは6%から19%にまで延び、金融セクターがGDPに占める割合は10%からピーク時には40%になったとthe Economistでは指摘しています。

 しかし、他方で、これら成長の要因は大きなリスクファクターでもありました。裁量に任せすぎた金融商品開発は、原理からは乖離する恐れがあり、それによる損失は、高いレバレッジを有している金融機関にとっては、非常に大きなダメージとなりえます。ちょっとした問題でも大きな金融危機につながる恐れがある。事実、この10年で、アジア通貨危機、LTCM危機,ITバブル、そしてサブプライムの問題と、立て続けに深刻な問題が起こっおり、高いレバレッジにその一因があると言う人もいます。

 だからと言って、規制の方向に進むのが必ずしも良いわけではなく、重要なことは金融機関の経営者が独走しないような仕組みづくりにあるのでしょう。よりよい報酬システムの拡充が、今後より一層重要になることでしょうし、それらにより今後金融機関の構造変化が起こるのかもしれません。また、現在多くの批判を浴びている金融理論も、この失敗により、また新たな発展へとつながることが予想されます。
 


 個人的に感じている、理論的な問題点を言うと、3つでしょうか。
一つには、デフォルト相関の問題が挙げられると思います。デフォルト相関とは、いわゆる共倒れリスクの尺度ですが、これは、分散不可能なリスクと深い関係を持っています。価格をドライブするのは、この分散不可能なリスクなので、この値をどのように定めるのか、ということは非常に重要な問題です。これをあまりにも低く見積もったことに、格付け会社らがプライシングを失敗した一因があるのだと思います。ただし、このデフォルト相関の推定は非常に難しいので、今後のさらなる理論発展が求められています。

 次に思いつくのが、統計の問題です。過去のデータから将来について予測するとき、僕たちは「歴史は繰り返す」という前提に多くを依っています。しかし、ご存じの通り、現実はそうでもないわけです。過去のデータに基づいて言えば、1万分の1の確率でしか起こらないようなことも、現実には、時に起こったりします。なので、特に歴史の短い金融商品のデータを見るときには、このような問題にもっと気をつけるべきだったのでしょう。計量経済学者は多大な労力をかけて、過去から将来をよりよく推定する方法を模索してきましたが、今後理論が発展しても、過去から将来を推定する方法には常に限界が付きまとうことでしょう。

 また、これはファイナンス理論というよりは、ガバナンスの理論だと思いますが、人材分布の不均衡も一つの深刻な理由なのだと思います。格付け機関がその役割を果たすためには、第3者的な立場を貫徹することのみならず、商品に対する知識において優れていないといけません。もしかしたら、金融商品を作る側と、それを格付けする側の能力に隔たりがあったために、誤った格付けが加速していた可能性があります(Economistの半年以上前の記事でも指摘されていたことですが)。
事実として、金融商品を作る側・売る側と、格付けする側との間では、かなり大きな所得の隔たりがあります。人は、常にそうではありませんが、給料の良いほうに流れるもので、多くの人がそのように動く結果、給与の高さと人材の質の関係には一定の関係性があるのかもしれません。


 マーケットが非常に厳しい今日この頃ですが、いろいろな方面に目を向けて、自分の頭で考えて、納得のいく結論を導き出せるように、観察を怠らないでいようと思います。

 というわけで、夕食はおしまい。
 今からまた仕事に戻ります。



Comment
≪この記事へのコメント≫
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
Secret: 管理者にだけ表示を許可する
 
Trackback
この記事のトラックバックURL
≪この記事へのトラックバック≫
Designed by aykm.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。