Taejunomics

            政治、経済、社会、哲学、芸術、文学、スポーツ、マイクロファイナンス、教育などなど、徒然なるままに書き綴ります。 ※お初の方はカテゴリー欄の「Taejunomicsについて」、をご覧ください。
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飢えの津波。
去年、小麦の価格は世界的に77%上昇し、米の価格のそれは16%でした。今年に入ってからは、米の価格も141%の上昇を見せています。
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食料の高騰は、当然日本のような先進国に住む人々にも打撃を与えるのですが、所得の多くを食費に回している人々に対して、それ以上に深刻な打撃を与えます。 世界銀行は先週、食料価格の上昇に対処するための措置を発表しました。 同行によると、33の国において、食料危機により動乱が生じる可能性があるそうです。 The Economistの今週号の特集では、この問題を取り上げています。 その内容を基にして、備忘録代りにまとめておきます。




1.なぜ食料価格が高騰しているか

世界の農作物生産は、引き続き安定しているにもかかわらず、今回の高騰は起きました。 これは、主に需要サイドの高騰によるものです。 

 理由は主に三つでしょう:
 ・バイオ燃料需要の高騰
 ・規制や保護政策などによる、生産者の生産意欲の低下
 ・原油価格の高騰
 
特に最初の二つについては、政策と関連した問題であり、政策のまずさがもたらす深刻な影響を僕たちに見せてくれているのかもしれません。


2.インパクト

貧困にある人々は、子供を学校にやらず、農具を売り、家畜を売り、家の屋根を売り、、と食料のために、自分の固定資産をどんどん取り崩していかざるを得ません。 そうすると、もう、そう簡単には貧困のスパイラルから抜けられなくなります。

絶対的貧困とは、一日の収入が1$以下の人々の状況を指して言いますが、現在、絶対的貧困にある人は、地球上で約10億人に及びます。 食料価格が20%上昇すると、その絶対的貧困に陥る人が、1億人増えることになるそうです。 


 今まで、食料危機は、特定の地方で単発的にあちら、こちら、と起こっていました。 いうなれば、食料危機に陥るリスクは、アンシステマティック・リスク(非組織的危険)だったのです。 ですが、今回の価格高騰は、世界的に起こっていることで、食料危機がシステマティック・リスクとなっています。 食料危機がシステマティックだとすると、問題は深刻です。 というのも、World Food Programをはじめとした機関には、一国について食糧援助する力はあっても、世界中の数多くの国に同時に食糧援助をする余裕は、正直あまりないからです。 価格が高騰している現状において、World Food Programが今まで通りの援助を実施するだけでも、約700億円が必要で、今年は、もっと多くの援助が求められることになることが予想されています。 

 

3.望ましい解決策  

 価格が上がっているのですから、経済学のロジックに従えば、需要が下がり、供給が上昇する(その片方、もしくは両方)ことになります。 一番望ましいのは、途上国の人々が、その供給の担い手となる事です。 そのようにすれば、途上国の人々の収入水準が向上するので、貧困の一つの解決にもなりえるからです。

 しかし、途上国の農家の富の蓄積は限られているため、農作物の価格が上昇しても、なかなか弾力的な反応ができません。 農作物を増やすためには、追加投資をしなければいけませんが、それも容易ではありません。のみならず、近年、工業化を進めている途上国においては、農業用土地が減少傾向にあるため、状況はより難しくなっています。  国内の流通手段の拡充は、供給の価格弾力性を高める事となるので、経済における最適化をより早く実現させる、一つの策となるのかもしれません。
 
 
 
 金融市場の混乱も深刻ですが、こっちは人の命に関わっている、より大事な問題。 数十万人どころか、数億人を巻き込む、深刻な問題です。 決して看過してはいけないのだと思います。 僕に出来ることは、何なのか、考えています。 
 
 
 
Comment
≪この記事へのコメント≫
WBSでも先日、特集として放映されていました。
要因として、サブプライム問題以降、投機マネーがコモディティに流れ込んだこと、中国・インドなどの所得向上などもあげられるとのことです。

WFP(国連世界食糧計画)の食料支援部隊の支援トラックが、20台以上も襲われており、運転手ら20人以上が行方不明であるとも報道されていました。

チベット問題もそうですが、国内ではあまりにこれら世界的issueが議論されなさすぎるように思います。
2008/04/24(木) 13:22:05 | URL | フジユキ。 #-[ 編集]
コメントありがとうございます。 今後、人に話すときには、そのことも付け加えて理由として話せるようにしようと思います。

何か、議論することに慣れていない感がありますよね。 意見の対立は、別に喧嘩でも何でもなく、お互いの認識を深めて、発展させるためのものなのに。

2008/04/25(金) 01:12:09 | URL | Taejun #-[ 編集]
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