Taejunomics

            政治、経済、社会、哲学、芸術、文学、スポーツ、マイクロファイナンス、教育などなど、徒然なるままに書き綴ります。 ※お初の方はカテゴリー欄の「Taejunomicsについて」、をご覧ください。
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野口悠紀雄「ファイナンスの基礎」@Taejunomics―第三回
というわけで第三回です。 今回は分量が少なめです。

1.非組織的リスクと組織的リスク
2.確実性等価の計算
3.先物取引(Futures)の概略

1.非組織的リスクと組織的リスク

さて、前回まで、リスク分散の話や、期待値の効用と効用の期待値の違いについて触れましたが、ここで、重要なポイントを話しておきます。

リスクと一概に話していますが、リスクには、二種類の性質のものがあります:

・リスク同士が互いに相関していないリスク:個別的(individual)リスク、分散可能(diversifiable)リスク、非組織的リスクと呼ばれます。

・互いに相関しているリスク:市場リスク、組織的リスクと呼ばれます。

両者の違いについて理解しておくことは非常に重要です。相関していないリスクについては、分散投資により、リスクを下げることができます。しかし、お互いが完全に同じ変動をする(完全に相関をしている)投資対象でリスクを減らすことはできません。

たとえば、東京に住んでいるAさんとBさんにとって、地震のリスクは、組織的リスクです。ひとたび地震になってしまうと、二人とも被害にあうことになります。その反面、AさんとBさんが空から落ちてきた石ころにぶつかるリスクは、非組織的リスクです。Aさんに石ころがぶつかったからと言って、Bさんにぶつかるわけでもないからです。


(前に書いた参考記事はこちら:
http://stjofonekorea.blog6.fc2.com/blog-entry-685.html#more

サブプライム問題の一つは、証券化商品の原資産となるサブプライムローンの債務不履行リスクの相関が非常に高かったのに、その相関を過小評価してしまったことにありました。組織的リスクと非組織的リスクの違いを理解することの大切さを示す、貴重な事例と言えるのかもしれません。




2.確実性等価の計算

その後授業でやった、確実性等価の計算その他は、前回の記事で書いたエクセルファイルにある内容なので割愛します。

リスクのある収入―リスクプレミアム=確実性等価

というのがポイントです。



3.先物取引(Futures)の概略

授業は途中で終わってしまったので、この先物というものの概略だけを書いておいて、残り部分は次回でカバーします。

「エデンの東」、というお話をご存じですか?スタインベックの書いた、1900年代初頭を舞台とするこの小説の中で、主人公のキャルは戦争の勃発による農作物の上昇を予想し、そこから利益を得ようと考えました。

利益を得るための一つの方法は、他の人々と、将来の取引価格を今のうちに決める契約を結ぶことにあります。
当事者が交渉して決めた(相対で決めた)場合、この価格を先渡(Forward)価格と呼び、この決定が取引所でされるのであれば、この価格は先物(Futures)価格と呼ばれます。しょうもないことですが、先物は英語でfuturesといい、futureではないことに注意です。


キャルがこの利益機会を狙っていた時、小麦1キログラムは2セントでした。今年は大豊作が予想され、もし戦争が起きないと、小麦価格は1キロ当たり1セントになると予想されています。もし戦争が起きると、12セントになると予想されています。

この小麦について、キャルは、農民、軍の調達部とともに、こういう契約を結びました:

「一年後、この小麦を必ず5セントで取引する。 売り手は農民、買い手はキャルと軍の調達部とする。」


三者にとっての、この先物取引の合理性は、以下のようなものです:
・農民(供給者)-小麦価格が暴落リスクを防ぐ(ヘッジする)
・軍の調達部(需要者)-小麦価格が高騰した時にも買えるようにリスクをヘッジする
・キャル(投機者)-先物価格と将来の現物価格の差で収益を得る

先物価格を決定することにより、現在においてすでに将来の価格が確定値となります。当然ながら、現在の農作物の価格(これを現物価格と言います)についてもすでに分かっています。現時点でわからないことは、将来における農作物の実際の価格(すなわち、将来の現物価格)だけです。 将来の出来事を、現在における確定事とすることが、先物取引のポイントなのですね。


次回は、(たぶん)無裁定条件を取り扱うことになると思います。
あなただったら上のような契約内容のもとで確実に儲ける手法を考えることができますか?
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