Taejunomics

            政治、経済、社会、哲学、芸術、文学、スポーツ、マイクロファイナンス、教育などなど、徒然なるままに書き綴ります。 ※お初の方はカテゴリー欄の「Taejunomicsについて」、をご覧ください。
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野口悠紀雄「ファイナンスの基礎」第六回
野口先生の授業の受講生の皆さん、前回の授業に参加できずにすみません。朝からずっと会議でした…

さて、それでも、フォローアップは行います。

今日は、オプションのお話ですね。


1.オプションとは
2.用語説明
3.問題の設定
4.一物一価の法則
5.オプションを複製してみる


1.オプションとは

オプションという英語は、選択という意味を持っています。 オプションはその名の通り、あるものを、ある値段で買う・売る「権利」のことです。 

たとえば、チューリップの球根を1年後に100円で買うオプションがあるとしましょう。もしあなたがこのオプションを持っていると、チューリップの球根の1年後の市場価格が100円より高くなっていたら、あなたは、オプションを行使して、100円で球根を買い、市場で球根を売ることにより利益を得ることができます。 

逆に、球根の値段が100円より低かったら、あなたは別にこのオプションを行使しなければ良いのです。 この、行使しなくてもよい、という点が、先物と決定的に異なる点です。 オプションは、権利なのです。

こんなものが、タダで出回るわけはないので、もちろん、オプションを買うには、お金を払わないといけません。 しかし、いくら払えばいいのか、というのはなかなかの難問でした。 

(蛇足:収益率が正規分布などの楕円分布族の分布に従うような金融資産の場合には、CAPMなどを用いて適切な割引率を決定し、将来のペイオフを割り引く、という方法をとることができます。 しかし、オプションの場合、その収益率の分布は正規分布に従うわけではないので(原資産が正規分布に従うとしても)、この方法を採用することができません。)


ご存知の通り、フィッシャー・ブラック、マイロン・ショールズ、ロバート・マートンは、このオプションの価格付けモデルを考案し、それらの業績によりノーベル経済学賞を受賞しています(フィッシャー・ブラックはその時点で生存中でなかったので受賞できませんでした)。
このブラック・ショールズモデルは当初、確率微分方程式をガチャガチャ解くという面倒な作業によって導出されましたが、現在はより簡単な形で、しかも経済学的により意味のある方法で導出することが可能となっています。これを知りたい人は、池田先生のアセット・プライシング(僕の大学院一番お勧めの授業です)を受講してみてください。


ここではそんなに難しい話はしません。
その代りに、オプションのプライシングのエッセンスについて、お話をしていこうと思います。




2.用語の説明

さっきの球根のオプションの例で説明しましょう。
原資産(Underlying Asset)とは、そのオプション契約の元となる資産で、この場合は、チューリップの球根です。行使価格(Strike Price, Exercise Price)とは、オプション契約により取引するときの価格で、上の例で言うと、100円になります。 この行使価格と、実際の価格の差を、ペイオフと言います。
買う権利はコールオプションと呼ばれ、売る権利はプットオプションと呼ばれます。

権利行使のタイミングが一時点に定められているオプションをヨーロピアン・オプション、常に権利行使できるオプションをアメリカン・オプションと言います。 そういえば、何でこういう呼び方をするのでしょうね。


3.問題の設定

次のような状況を考えます。
今、世の中には国債と株式の二つの資産だけが存在しています。
将来にありえる世の中の状態は、たった2つで、それはそれぞれ50%の確率で生じます。
それぞれの場合における国債と株式の価格は次の通りです:

option.jpgあなたは、この状況で、株式を常に2円で買えるオプションの価値を知りたいと考えています。 どうしましょうか?



4.一物一価の法則

このオプションの価格付けに用いられているロジックは次のようなものです。

「もし、株式と国債で、オプションと全く同じペイオフを実現できるとしよう。 実現されるペイオフが同じなら、その資産には、全く同じ値段がつくはずだ。 なら、オプションと全く同じペイオフをもたらす株式と国債の組み合わせを作るのにかかる価格は、オプションそのものの価格と等しいはずだ!」

この、同じペイオフをもたらす金融資産には同じ価格が付与される、という法則を、一物一価の法則(Law of one price)と言います。 Law of one priceの成立は、裁定機会が存在しないことよりも、少し緩い条件になっています。



5.オプションを複製してみる

さて、設問にある国債と株式で、オプションを複製してみましょう。

結果は、
株式を0.5億円分だけ購入して、国債を-1/6億円売ることにより得られます。
この売買の組み合わせにかかるお金は、1/3億円です

なので、この1/3億円をかけて作ったポートフォリオと同じペイオフをもたらすオプションの価格は、1/3億円になるわけですね。



と、とってもこのプライシングは簡単そうなのですが、これが成立するためには、いろいろとややこしい前提があるのです。 たぶん、次回ではそのことについてお話がされると思います。

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2010/07/25(日) 01:50:54 | | #[ 編集]
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2010/07/25(日) 03:31:40 | | #[ 編集]
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