Taejunomics

            政治、経済、社会、哲学、芸術、文学、スポーツ、マイクロファイナンス、教育などなど、徒然なるままに書き綴ります。 ※お初の方はカテゴリー欄の「Taejunomicsについて」、をご覧ください。
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社会起業家叩き?
(走り書きなので、後に修正の可能性あり)
フローレンスの駒崎弘樹さんのブログから。


サイバーエージェント社長 藤田晋 氏
「この世代は社会起業家が増えているというが、その前にすべきことがあると思う。ビル・ゲイツのように死ぬほど稼いで社会に貢献するというなら分かるし、自分もいずれそうありたいと考えるが、経営者として事業を大きくすることが今の目標だ。長く経営者として責任とプレッシャーと闘っている私からすれば、社会起業家はそうしたものから逃げているように見えてしまう。」

元マイクロソフト社長 成毛眞 氏
「もし仮に景気がよければ、社会起業家にはならず、今も外資金融やベンチャーに在籍しているはず。本人たちは、社会起業家としての社会的意義や使命について何ら疑うところはないし、心の底からそれを信じているのだろうが、私に言わせれば経済で先行きが見えないから、別の方面に関心が向かっているだけなのだ。」

マネックスグループCEO 松本大 氏
「厳しいことを言えば、自己の満足という点で、それ(マッキンゼー→ボランティアなキャリアの人)は長続きしないと思う。私は有限なリソースを集中して掘っていくべきだという考えで、自分が決めた仕事や業種に徹底的にこだわって、そこで成果を出そうとする。」


僕がITベンチャーの経営を始めた8年前、彼らは「大企業だけが人生じゃない。挑戦しよう。」というメッセージを若者だった僕たちに投げかけてくれていました。まだまだ彼らの会社は小さいものでしたが、それでもそうした前向きな姿勢に僕たちはキラキラと輝くものを見たのでした。

あれから幾年月。あの頃そうしたメッセージを投げかけていた若きリーダー達は、後輩たちが日本社会のために何とか頑張ろう、と挑戦している姿に対して、「逃げている」とダメだしの言葉を投げかけるようになってしまいました。



これはダメ出しとは思えず、真摯なアドバイスだと感じます。

どんな事業でも、重要なことは、市場を満足させられるだけのモノを産み出せるかどうかにあり、それが社会性を帯びているか否かは、副次的な問題だと思います。 市場が評価軸を見誤ると失敗するというのは、別に新しい話ではないでしょう。 市場にいる人々の考えがすこしずつ変わり、社会性が評価軸の一つとなっていくのかどうかは議論のあるところかもしれません。 10年後の状況を見れば、市場の評価軸の実相がある程度見えてくると思います。

この議論はある意味、芸術品の評価に似ているのかもしれません。多くの人は、芸術品を見るとき、その美しさや技巧の豊かさに惹かれますが、中には、その芸術家の動機や生涯に惹かれる人もいるかもしれません。芸術性を事業性、芸術家の生涯を社会性に見立てても似た様な議論が成立すると思います。 


藤田氏に少しだけ反論すると、僕の知っている人々は、自分の仕事を逃げとは思っていなくて、社会性のあるなしに関わらず事業として自分たちの仕事が成立するかとことん追求しています。
今twitterで受けたマザーハウスの山崎さんからのレスにもよく現れている気がします。(というか、マザーハウスは社会的企業、というより、企業だと個人的に思っていますが)

”社内の議論も9割が事業性、要するにお客様にどんな価値ある商品を提供できるかを議論している。
勿論、理念を通した自分たちの社会の理想像については本当に尽きること無いほど議論している。しているというより、暇があると議論してしまう。”



僕たちがずっと話しているマイクロファイナンスファンドも、規模が小さければ難しいけれど、しっかりと規模が取れればビジネスとして確実に成立する(事実、欧米でのいくつかのファンドは確かに成立している)というのが重要なポイントだと思っています。もちろん、個人的な想いとしては、それが貧困の削減にもつながるというのがあるわけですが。

そもそものところ、僕は未だに社会起業家というものが何なのか良くわかっていないのですが。 正確な定義なしにバズワード・ジャーゴンがひとり走りするのはあまり良くないと思っています。 (個人的には、ファイナンスと開発分野にはバズワードがとても多い気がします)





ファンドにお金が集まりました。
カンボジアのマイクロファイナンス機関へ投資をするカンボジア・ワン、無事に最低金額を達成して、投資が現実のものとなります。 いろんな人のお蔭で、ここまでこれて、すごくうれしいです。

これから先、3年間長い時間となりますが、モニタリングとスタディツアーその他企画をしっかりとやっていこうと思います。

マイクロファイナンスフォーラム2009
(業務連絡:今年発売のimidas(イミダス)の100~101ページに、マイクロファイナンスのことを書いています。よかったら見てみてください。)


今年もマイクロファイナンスフォーラムの季節です。
11月15日14時半から、JICA東京で行います。

去年は、とにかくやってみよう、で始めたフォーラムだったのですが、今年は、自分たちのこの一年間の成果を伝えられるフォーラムになると思います。 来年からはもっとワクワクすることが起こるのですが、その次回予告も兼ねています。


こういう人にお勧めです。
・マイクロファイナンスに興味がある
・マイクロファイナンス投資の突っ込んだ話が知りたい
・会社員・学生NPOがどこまで出来るのか知りたい
・経済開発に興味がある
・SRIに興味がある
・新しい投資対象を探している


去年は、僕のギャグに監査はつかなかったですが、今年は厳重なレビューが入るのかもしれません。



●参加申込方法
氏名(ふりがな)、所属、参加人数、本セミナーを知ったきっかけを
明記の上、以下のメールあて先にてお申込ください。
lip@securite.jp
※定員に達した場合はお断りさせて頂く場合がございます。





―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◆LIPマイクロファイナンスフォーラム2009◆
マイクロファイナンスの新地平II-貧困削減のための投資
◆11/15(日) 14:30~18:00@JICA東京◆
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『日本発のマイクロファイナンスファンドを』
前回LIPが開催したマイクロファイナンスフォーラムで皆様に呼びかけてから早一年。
今年9月にはLIPが業務提携するミュージックセキュリティーズ社が、日本国内初の
マイクロファイナンスファンド「カンボジアONE」の募集を開始しました。

この1年、日本でもマイクロファイナンスへの関心は高まり、グラミン銀行やBRACと
いった大手のマイクロファイナンス機関(MFI)のトップの方の話を聞ける機会は増えて
きました。しかし、世界に1400以上あるMFIですが、皆さんはいくつ知っていますか?

今回のフォーラムでは、日本にいてはほとんど知ることのない、マイクロファイナンスの
現場で実務に携わる方お二人を海外からお招きしました。
CHCというまだ小さく新しいカンボジアのMFIの取り組みの様子、
また世界で最も有名になったMFIであるグラミン銀行が、自国内だけでなく世界の
貧困削減のために始めたマイクロファイナンス投資の動きをお話いただきます。

もちろん、私たちのファンドの裏側-投資スキーム、契約書、デューデリジェンス、
ファンド組成までの苦難の数々(!)-もたっぷりお話します。

普段は聞くことができない現場で働く方の思いや生の声を聞きながら、
マイクロファイナンスの意義、なぜマイクロファイナンスへの投資が必要なのか、
どのようなMFIへの投資が求められているのか、私たちに何ができるのか、
を改めて一緒に考えてみませんか。

このとても貴重な機会に、多くの皆さまのご参加をお待ちしています。

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【開催概要】
●日時:2009/11/15(日曜日)14:30~18:00(受付13:50~)
●場所:JICA東京 講堂
アクセス:http://www.jica.go.jp/tokyo/office/about.html#map
●定員:300人
●参加費:3000円(学生2000円)
●参加申込方法
氏名(ふりがな)、所属、参加人数、本セミナーを知ったきっかけを
明記の上、以下のメールあて先にてお申込ください。
⇒lip@securite.jp
※定員に達した場合はお断りさせて頂く場合がございます。
あらかじめご了承ください。

●内容(適宜通訳あり)
◆挨拶、LIPの紹介 ― 慎泰俊 (LIP代表)
◆第1部:マイクロファイナンスの現場から 14:30~16:00
1.マイクロファイナンスの概要 ― Living in Peace
2.マイクロファイナンス実務の現場から
― Kuy Sengmoeurn (CHC Limited, Operation Manager)
3.対談・Q&Aセッション ― Kuy Sengmoeurn & 慎泰俊

◆第2部:マイクロファイナンス投資 16:20~18:00
1.マイクロファイナンス投資の概要 ― 福井龍 (世界銀行,TDLCマネージャー)
2.「カンボジアONE」が出来るまで ― 慎泰俊 (LIP代表)
3.貧困削減のためのマイクロファイナンス投資
― Christopher Tan (グラミン財団, フィリピン駐在員)
4.対談・Q&Aセッション
― Christopher Tan & ミュージックセキュリティーズ & 福井龍 & 慎泰俊

◆懇親会(無料):18:00~19:30 場所:同施設別会場

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●CHC(本年11月より「サミック」に名称変更)について
CHCは2005年9月にマイクロファイナンス機関としての認可を受け、
現在、9つの支店で1万人以上に金融サービスを提供しています。
カンボジアにある18のマイクロファイナンス機関のなかでは11番目と中規模ですが、
2005年から2008年の間に、売上高は8倍、純利益は30倍以上に成長しています。
詳細はこちら:http://www.chcmfi.com/

●グラミン財団について
貧困層向けに無担保・低金利の事業融資(マイクロクレジット)を実施する
「グラミン銀行」を創設し、2006年にノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌス
(Muhammad Yunus)氏がスタートさせた財団。
詳細はこちら:http://www.grameenfoundation.org/

●主催:特定非営利活動法人Living in Peace  http://www.living-in-peace.org/
貧困削減のための活動を行うために設立された特定非営利活動法人。
メンバーは20-30代の金融機関・コンサルティング会社勤務者が半分以上を占め、
世界の貧困問題に関する勉強会やフォーラムの開催のほか、
少額の金融サービスを貧困層に提供し、自立する機会を提供する
マイクロファイナンスについての支援を行っている。
現在日本初となる途上国のマイクロファイナンス機関を支援するファンドが
ミュージックセキュリティーズ株式会社(第二種金融商品取引業関東財務局長
(金商)第1791号)より売出中。

●注意事項
※第2種金融商品取引業者の登録のないLIPは、
金融商品の勧誘、募集等の行為は一切行っておりません。
ヒーローに会う
有名人と出会ったネタは書かないと言っていたものの、これだけは別。


Living in Peaceの活動を始めるようになったきっかけは、「貧困の終焉」でした。この本を読んで感動した僕は、行動の必要を感じ、ブログその他で一緒にやる人を探し、小さな勉強会からスタートしたのでした。

「貧困の終焉」の著者は、ジェフリー・サックス教授。コロンビア大学で教鞭をとる傍ら、世界中を奔走し、2025年までに極度の貧困をなくすというミレニアム開発目標の実現のために世界中を飛び回っています。

そんなサックス教授の来日中の超ハードスケジュールの中、時間を取って頂き、少しお話&LIPへの6分強のビデオメッセージを頂きました。 (このビデオメッセージは、11月15日のマイクロファイナンスフォーラムで流す予定です)


ビデオメッセージを頂いた後に、「絶望することはないですか、もしあるとしたら、その時どうしていますか」と質問。


フラストレーションを感じることはある。
そういう時は、散歩して、新鮮な空気を吸うようにしている。

そして、考え直してみると、自分たちが確実に前に進んでいることに気付く。私たちに出来ることはたくさんあるし、私たちに絶望する権利はない。

冷笑は何の答えももたらさない。私たちがすることは、答えをもたらすものであるべき。そのためにベストを尽くしたい。

君のような人々がいて、こういう素晴らしいアクションをしていることを思い出す。そういったことが、私にまた確信を与えてくれる。



なんか、最近身の周りで起こるいろんな出来事が、自分に語りかけている気がします。

やるべきことをやっていたら、自分のヒーロー・ヒロインに会えるのだと思います。でも、会うだけではまだ始まりにすぎない。一緒に仕事ができるように、これからも頑張ります。


マラリアを撲滅する蚊帳
今回のLiving in Peaceの勉強会には、住友化学の水野達男さんにお越しいただき、マラリアを撲滅するための蚊帳、オリセットネットのお話を伺いました。とても興味深かったので、下記にまとめておきます。



マラリアは、地球で最も多くの人を殺している病気の一つです。年間3億人以上が感染し、100万人が死亡していますが、そのうち90万人以上は体力の低い5歳未満です。また、罹患する患者の90パーセントはアフリカに住んでいます。

発熱や頭痛がそのおもな症状(中国の歴史小説によく出てくる瘧(おこり)もマラリアです)で、かかった人は仕事に出れないため、貧しい人の収入にとって大打撃となります。さらに、治っても時間がたつとまた罹る病気であり、開発途上国において人びとが貧困から抜け出すための大きな障害の一つとなっています。ある調査によると、マラリアによるアフリカの経済損失はGDP換算で年間に1兆2千億円とも言われています。

感染症の8割は蚊によるものだと言われていますが、マラリアも同じです。マラリアは、ハマダラカという蚊に刺されることにより感染します。蚊は水たまりさえあれば、1週間で卵から成虫になるので、雨季にはものすごいスピードで蚊が繁殖します。ケニアの調査では人は何もせずに1日寝ると、110回蚊に刺されるそうです。そのうち7~8%はマラリアのウィルスを有しています。



R0014978.jpgオリセットネットは、マラリア撲滅のために住友化学が開発した蚊帳です。マラリアを媒介するハマダラカは夜行性のため、蚊帳は強力な予防手段となります。

網には防虫剤が漬け込まれていて、蚊はこの蚊帳に触れると数分以内に死にます。殺虫剤は、除虫菊を用いた天然のものがベースになっていて、昆虫には効きますが、人間に対する有害性はありません。また、ネットに成分が織り込まれているため、蚊帳を洗っても成分は無くならず、防虫効果は5年間持続するといわれています。

このオリセットネットを集中的に配布した地域では、マラリアの感染率は元の50%から10%にまで低下したそうです。


この蚊帳は現地において生産されています。マラリアの撲滅と雇用の創出の二つを一緒に行っているわけです。第一号の工場は、タンザニアのアルーシャにつくられました。第1号、第2号工場二つの生産能力は1年当たり1500万張です。2009年3月における、世界全体のオリセットネット生産力は3,800万張ですが、2009年の12月には5,200万張、2010年末には6,000万張になる見込みだそうです。


R0014977.jpgアフリカでは生活習慣として、仕事をして貯蓄をする文化があまり根付いていないため、工場経営において大変なことは多いそうです。一夫多妻制の国においては、子育てをしないといけない母親には働き者が多いですが、男性には怠けものが多く、工場の悩みになっているそうです。生産が今後拡大していくためには、工場で働く人々への教育が不可欠だと考えられています。

マラリアはミレニアム開発目標の中でもっともゴールに近い分野の一つです。その理由は、目的を達成するための手段が明確だからです。今、住友化学は、2億5千万張のオリセットネットを世界に配ることを目標としています。 


住友化学は営利目的でこれを行っています。これは事業が持続可能なものとするためには非常に重要なことです。 BOP(Bottom of the Pyramid、1日5ドル以下で生活している40億人の人々のこと)ビジネスにおいて成功するために必要なものは、品質、低価格、Availabilityです。

品質は効果的であり、必要最低限の機能が備わったシンプルなものである必要があります。開発途上国で瞬く間に浸透しているシンプルな携帯電話はこの典型です。

価格については、現在5ドルのものを3.5ドルにするようにしています。現地調達のシステムを作ることが重要な鍵となります。現在は、オリセットネットの原料の一部は日本から調達されていますが、これを完全に現地化することを目指しています。

ちなみに、一つの蚊帳を売るまでのコストは10ドルとされています。そのうち、蚊帳代が5ドル、物流が2ドル、そしてマラリアの教育が3ドル(マラリアの原因が蚊だと知っている人は、アフリカにはまだ4割しかいないそうです)。


実際に製品を手に取ってもらうためのマーケティングも非常に重要です。販売網の仕組みは非常に重要です。現在、住友化学は病院の隣にオリセットネット販売店を設けるようにしています。病院に行って、蚊帳の必要性を感じても、人はすぐにそれを忘れてしまうからだそうです。



話を聞いていて、改めて日本のものづくりの素晴らしさと技術の偉大さを感じました。 素晴らしい技術は、営利を達成するとともに、経済開発を推進する大きな力となりえます。 僕たちも、こういったイノベーションを作りたいといつも思っています。


マイクロファイナンスプロジェクトのこれから
現在週末のうち、土曜日の夕方はLiving in Peaceのマイクロファイナンス会議、日曜日は教育プロジェクト会議で、土日両方を使っています。 休まないといけないときは休んでいるし、やりたいからやっているので、大して圧迫感はないのですが。


マイクロファイナンスプロジェクトは、次の段階を迎えようとしています。


イベントも目白押し。

11月15日の日曜日には、マイクロファイナンスフォーラム2009を行う予定です。 マイクロファイナンスの現状と将来を、私たちの今後とあわせてお知らせしていく予定です。 ファンドのプロジェクトでは、次から次へと新しい、クールなことが起こっています。 たぶんこの日には、会場の皆さんを驚かせる報告ができると思います。 現時点ですでに楽しみです。


10月25日には、単独のセミナーを行います。
これまで長い間、このファンドプロジェクトの舞台裏を詳細にお話しできなかったのですが、今回初めてお話しします。9ヶ月間は長いようで短かったのですが、いろんなことがありました。その出来事を、僕が60分くらいかけてお伝えします。

また、このセミナーでは、ずっと僕たちが話してきた、「ビジネスパーソンや学生でも、仲間とやる気さえあれば結構いろんなことができる」、ということを伝えられたらと思っています。


さらに11月1日、19日にも外部の講師を招いてセミナーをする予定。 

四六時中忙しい本業も、10月後半から佳境に入ります。全部気持ちよく乗り切ったら、また自分が一歩先に進めている気がします。

マイクロファイナンスファンドの今後
Living in Peaceの恒例の勉強会は、今週の金曜日です。

今回のゲストは、ライフネット生命の岩瀬大輔さんです。 ちなみに、その次は11月1日、19日に開催されます。

まだ席に余りがありますので、興味のある方はご連絡ください^^。



日 時:   10月9日(金)19:00-20:30(受付18:30~)
会 場:   日本財団ビル-会議室A(赤坂)
        http://www.nippon-foundation.or.jp/org/profile/address.html
内 容:   第1部:岩瀬大輔氏×慎泰俊によるトークセッション第2部:参加者も交えたディスカッション
定 員:   100名
参加料:   1,000円
参加申込方法:氏名(ふりがな)、所属、参加人数、本セミナーを知ったきっかけを
       明記の上、以下のメールあて先にてお申込ください。
       =>lip@securite.jp
       定員に達した場合はお断りさせて頂く場合がございます。
       あらかじめご了承ください。

------------------------ (金曜日以降にこの上は削除します)


大和証券のマイクロファイナンスボンドの組成の担当者の方とランチミーティングして、色々とお話を伺いました。

思ったことは、マイクロファイナンス機関(MFI)そのものに投資するファンドを、法人相手にサイズをとってビジネスとして行うことの難しさ。 日本で法人投資家向けにファンドを組成するとしたら、年金基金から資金調達をするのが肝要ですが、海外の、しかもエマージングマーケットとなると、ハードルとなるリターンは非常に高い。 (トラックレコードが示すボラティリティの低さがあったとしても)


MFIは基本的に借り入れを通じて資金調達をします。金利は年率で10%前後で、国によって異なります。 (株式は、特定の利害関係にある人が持つことがほとんど。)

マイクロファイナンス機関への投資は基本的に相対で行われるので、一案件をこなすのにかなりコストがかかってしまう現状があります。このことが、投資資金のほとんどが大手のMFIに集中してしまう理由ともなっています。

こういったことを考えると、MFIへの投資におけるイノベーションの方向性は、一案件当たりのコストを抑えることに見つけられるのかもしれません。 1000万円から1億円くらいの投資において、精査、クロージング、その後のモニタリングのコストを、調達金額の1%以内に抑えられるのなら、投資のリターンにおいても、社会的意義においても、素晴らしい投資ファンドを組成することができるようになりそうです。


言うは易いのですが、なかなか難しい。誰かが、MFIのための資本市場を作ったら、少しは実現が近付くのかもしれません。 どうすればいいのか、たまに考えています。

大和のマイクロファイナンスボンド
遅れてしまいましたが、大和証券のマイクロファイナンスボンドを発行したそうです!
http://www.daiwa-grp.jp/data/current/press-2603-attachment.pdf

PDFの情報を引用。

このたび、大和証券グループおよび国際金融公社は、国際金融公社のグローバル・ミディアム・
ターム・ノート・プログラムに基づく、同公社のマイクロファイナンス関連事業に必要な資金を調達す
るための債券(マイクロファイナンス・ボンド)の発行予定についてお知らせいたします。世界銀行グ
ループのメンバーである国際金融公社は、貧困削減と人々の生活水準向上に役立つことを使命と
して、経済開発に寄与する多様な方策を提供しています。



国際金融公社(International Finance Corporation)は世銀のメンバーで、主に開発途上国の私企業に対する投資、コンサルティング等を行っている団体です。今回のマイクロファイナンスボンドは、国際金融公社のマイクロファイナンス関連事業における資金調達であるということ。

「関連事業」の定義についは、今後のレポート等を通じて分かってくると思います。調達された資金のどの程度のお金が、現地のマイクロファイナンス機関に回ることになるのかは、多くの人が注目するところでしょう。


これはすごく喜ばしいことだと思っています。大和のような大手証券がマイクロファイナンス関連商品を取り扱うことにより、日本国内におけるマイクロファイナンスの知名度が高まればいいと思います。

LIPが取り組んでいるファンドの活動とかぶるのでは、という意見も聞きましたが、個人的にはあまり競合することはないのかな、と感じています。 大きく違いは2点あります。

1.投資対象の違い。マイクロファイナンスボンドの投資対象は、マイクロファイナンス機関ではなく、それに間接的に投資等を行う資金調達です。 これに対して、LIP×MSのファンドは現地で実際にマイクロファイナンス事業を行っている金融機関への直接の投資です。 イメージとしては、IT系の企業に投資する投資ファンドに出資するのと、一つの(自分がいいと思う)IT企業に投資するのの違い、というと分かりやすいのでしょうか。

2.投資規模の違い。私たちのファンドはとても小規模です。この理由の一つには、マイクロファイナンス投資において、大規模のマイクロファイナンス機関にはお金がたくさん集まる一方で、中小規模のマイクロファイナンス機関にはなかなか集まらないという現状があります。小さいながらも地道に活動を行っている金融機関を支援するというのが私たちの趣旨で、今回のマイクロファイナンスボンドのような大規模の資金調達とは少し色合いが違うのだと思います。

今度担当の方ともお会いできるので、お話しできるのが楽しみです^^。


開発途上国の携帯電話― 2 / 2
開発途上国における携帯電話の後編。

前編では、開発途上国における携帯電話普及率の急速な成長と、その背景となる事情を説明しました。

後編では、携帯電話がもたらす、情報の非対称性の低減とその効果について。

人びとの間で保有している情報に隔たりがあると、さまざまな非効率が生じます。 ばれないのを良いことにまじめに仕事をしない人、不当に価格を押し付ける人などが存在することがその理由です。 多くの人間が利害のために動くのだから、そういう人々を責めるよりは、情報の非対称を克服することの方が解決策としては妥当です。 たとえば、完全に匿名性が保たれるオークションを設計することにより、談合を無くす、など。


技術進歩と情報の非対称性にはある程度の関係があることは、多くの人が納得できることだと思います。 容易に想像できるように、開発途上国においては、相対的に情報の非対称性が高い場合が少なくありません。 開発途上国において汚職や不正が多い理由の一つも情報の非対称性にあるといえます。

携帯電話の普及は様々な経路を通じて、このような情報の非対称性を克服していく可能性をもたらします。

携帯電話を用いた選挙の監視がケニヤ、ナイジェリア、シエラレオネなどでは行われているそうです。方法は簡単で、携帯を用いて出口調査をするというもの。その結果と、実際の選挙結果が大きくずれることは考えにくいため、不正選挙を防ぐことができる可能性が高まります。 また、役人の使用している携帯電話について、その通話履歴を開示させることにより、収賄をある程度まで防ぐことができる可能性があります。

また、携帯電話を通じた市場情報のサービスは、開発途上国における価格メカニズムをよりよく機能させることができます。UCバークレーのJenny Akerによると、携帯電話の普及により、ある商品の地域価格差が最低6.4%低くなることが確認されたそうです。 価格メカニズムが正常に機能することは、国家における財・サービスがより効率的に分配されることを意味し、これは経済全体にとって好ましい影響をもたらします。 ロンドンビジネスクールのLeonard Wavermanによると、10人に1つ新たに携帯電話がもたらされることは、GDPを0.6%押し上げるとされています。



さらに、教育という点でも携帯電話が発展するにつれ大きな進展が望めます。iPhoneのようなブロードバンドの携帯電話(もしくはネットブック)が普及すれば、教育の格差はものすごいスピードで縮めることができるようになります。だって、例えば、誰だってMITのウェブサイトに行って、その授業が聞けるようになるのですから。

もちろん、現時点でのスマートフォンやネットブックは開発途上国における一般人が利用できるほどの低価格にはなっていません。 しかし、今後そのような低価格は実現可能だと思います。 残る問題は言語で、今後開発途上国において英語を第二母国語として設定することが、国の成長戦略として非常に有効になるのでしょう。


情報ってすごいですよね。 ある程度の条件さえそろえば、誰しもが平等にアクセスでき、それを取得することにより、富を創出することができる。 開発途上国における通信技術の発展は、この上ない経済成長の原動力となる可能性があります。 今後のイノベーションを想像するだけでワクワクします。僕もこれに関連して何か面白い活動を出来ないかと考えると、ワクワクはさらに膨らみますね^^。

開発途上国の携帯電話― 1 / 2
今週のThe EconomistのSpecial Reportは一読をお勧めします。 
http://www.economist.com/specialreports/displaystory.cfm?story_id=14483896

すでに、開発途上国において携帯電話がとても重要な資産となっていることをある程度知っている人にとっても、多くの洞察が得られることでしょう。

二回に分けて書きます。 まず、前半は、開発途上国における携帯電話市場の状況について。


Phone001.gif

このグラフを見ると驚くかもしれませんが、すでに開発途上国とされる国において、30億台の携帯電話が市場に出回っています。といっても、一人で複数持っている場合もあり、すべての人にいきわたっているわけではないこと、やIDカードだけのものも数字にカウントされているので実際の台数よりも水増しされている可能性があることには注意が必要ですが。


この急拡大の背景には大きく三つがあります。

一つは、携帯電話を提供するメーカーが様々な工夫を凝らすことにより、携帯電話料金を非常に安くすることに成功していることです。 携帯電話の機械そのものを安くするのはもとより(97年に平均250ドルしたベーシックな機種の料金が今や20ドル)、購入する電波量を最小限にすること、電波塔の他社との共有など、様々な仕組みを通じて、開発途上国に合った携帯電話料金サービスを提供することができています。 また、料金のプリペイド方針の導入も、顧客の信用力調査を不要とするために、料金の引き下げ要因となっています。
Phone002.gif
グラミンフォンでも有名なバングラデシュでは、一人当たりの携帯料金が3.7ドルと、日本の56.9ドルやアメリカの54.2ドルよりはるかに低い価格での提供を可能としています。 まあ日本における料金が不当に高い、ということもあるのかもしれませんが。 ちなみにOECDによると、先進国で料金が高いのはアメリカ、カナダ、スペイン、日本で、北欧では低いです。


もう一つの要因は、携帯電話に連動させた様々なサービスの存在です。
天候などの農業の情報、医療情報、市場での取引情報など、人々のビジネスにとって有用な情報を提供するサービスが多数登場しています。また、携帯電話を用いた送金サービスや貯蓄サービスも拡大しています。特に貯蓄サービス等は、政情に不安がある国では急速に拡大しているそうです(というのも、暴動等が生じるとき銀行がその矢面に立つ場合が少なくないため)

もはや人々にとって、携帯電話は単に電話をしたりメールを打つだけの道具ではなくなってきています。


最後の一つは、携帯電話を利用した新規ビジネスの存在です。
開発途上国において、携帯電話と関連したビジネスはすでに半分以上になるそうです。多くの開発途上国では、他人からお金を受け取り、その代わりに電話やメールの機能を貸す人が増えています。それ以外にも、お店を持つお金を持たない人が、携帯電話を用いた移動店舗をはじめたりする事例も数多く存在します。

携帯電話を購入する人の中には、マイクロファイナンスから資金を借りる人も少なくないそうです。


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